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  4. 法令上の制限の目次

CD №02-01

本文の解説↓

過去問解説 各過去問の下

印刷教材では、この下011ページ

4 地域地区

1つの都市計画区域について地図の上で線を引き、「ここからそこまでが市街化区域で、むこうが市街化調整区域だ」というように、区域区分に関する都市計画を定めただけでは不十分だ。
無秩序な開発を防止するためには、例えば、人が大勢生活する市街化区域でのさらにキメ細かな「土地の利用に関する計画」が不可欠だろう。
そこで、都市計画区域については、都市計画に、次の4-14-22までに掲げる地域、地区または街区を定めることができることになっている。
そして、これらの総称を「地域地区」に関する都市計画というのだ。

なお準都市計画区域については、都市計画に、

の8つのうち、必要なものを定めることができる。

4-1 用途地域

(1)
「用途地域」とは主として市街化区域の中で建築物の用途(使いみち)を制限する場所だ。
例えば、ここにはパチンコ屋を建ててはいけない、あそこには自動車教習所を建ててはいけないというような地域だ。
これによって、建築物の使いみちという観点から、無秩序な開発が防止される。

印刷教材では、この下012ページ

(2)
用途地域には、そこにはどのような建築物を建てるのが望ましいか、という観点から、次のの地域がある。そのうちを住居系の用途地域、を商業系の用途地域、を工業系の用途地域という。

[住居系の用途地域=住居ゾーンともいう]

第一種低層住居専用地域
低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

第二種低層住居専用地域
主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

第一種中高層居専用地域
中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

過去問
 
第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域である。(○)

第二種中高層住居専用地域
主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

第一種住居地域
住居の環境を保護するため定める地域

第二種住居地域
主として住居の環境を保護するため定める地域

準住居地域
道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつこれと調和した住居の環境を保護するため定める地域

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田園住居地域 *
農業の利便の増進を図りつつこれと調和した低層住居に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

[商業系の用途地域=商業ゾーンともいう]

近隣商業地域
近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域

商業地域
主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域

[工業系の用途地域=工業ゾーンともいう]

準工業地域
主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域


過去問
B  
準工業地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域である。(×)

工業地域
主として工業の利便を増進するため定める地域

工業専用地域
工業の利便を増進するため定める地域

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過去問
C  
工業専用地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域である。(×)

(3)
用途地域では、建築物の用途を制限する他に、次のような制限が定められる。

第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域の三つの用途地域では、外壁の後退距離 * 建築物の高さの最高限度 * が制限される。
この建築物の高さの最高限度は、12mまたは10mのどちらかで定めなければならない。

過去問
D  
第一種低層住居専用地域には、建築物の高さの限度を定めることとされている。(○)

(2) のすべての用途地域に関する都市計画では、容積率 * が制限される(101㌻以下参照 * )。

過去問
E  
用途地域には、容積率を定めることとされている。(○)

商業地域を除く用途地域に関する都市計画では、建蔽率 * が制限される。
商業地域の建蔽率は建築基準法が決めているので、都市計画では定めない(108㌻参照 * )。

(4)
(3)①②③の制限は、都市計画法で定める他、建築基準法でも定めている。

過去問
F  
用途地域内における建築物に関する制限については、都市計画法に特に定めるもののほか、建築基準法で定めている。(○)

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(5)
田園住居地域では、都市計画法で、次の建築等の制限がされる。

田園住居地域内の農地(耕作の目的に供される土地)の区域内で、

を行おうとする者は、市町村長の許可を受けなければならない。
ただし、
については、市町村長の許可は不要になる。「農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護する」という点で支障ないからだ。

市町村長は、土地の形質の変更でその規模が農業の利便の増進および良好な住居の環境の保護を図る上で支障がないものとして政令で定める規模(300㎡)未満のもの等の行為について許可の申請があった場合には、その許可をしなければならない。


4-2 特別用途地区

(1)
無秩序な開発を防止するには、用途地域を定めるだけでは不十分だ。
例えば、同じ商業地域に属していてもオフィスビルなどの集中化を図るのが妥当な地区(例:東京の丸の内)もあれば、商店街の連続性を図るのが妥当な地区(例:東京の銀座)もあるだろう。 そこで、用途地域を定めただけではその地区の特殊性に対応できない場合に、用途地域の中で用途地域と重ねて、さらに建築物の用途を制限する場所が必要になる。このような場所を総称して特別用途地区という。
特別用途地区を法律的に定義すると、用途地域内の一定の地区における、その地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため、その用途地域の指定を補完して定める地区、となる。
上で説明した、オフィスビルなどの集中化を図るのが妥当な地区は、商業地域という用途地域に重ねて、事務所地区 * という名前の特別用途地区を定めるわけだ。
また、商店街の連続性を図るのが妥当な地区は、商業地域という用途地域に重ねて、小売店舗地区 * という特別用途地区を定めることになる。

印刷教材では、この下016ページ

(2)
特別用途地区は、用途地域の中で用途地域と重ねて定める必要がある。
したがって、特別用途地区は用途地域の中でだけ定めることができる。用途地域が定められていない場所で、特別用途地区だけを定めることはできない。

過去問
G  
特別用途地区は、その地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るために定める地区であり、用途地域内においてのみ定めることができる。(○)

4-3 特定用途制限地域

(1)
用途地域は、主として市街化区域の中で、建築物の用途を制限する場所なので(11㌻参照 * )、市街化区域と市街化調整区域の「区域区分がなされていない都市計画区域」では、用途地域が定められていない。
しかし、そういう所でも無秩序な開発は防止する必要がある。
そこで、用途地域が定められていない土地の区域内で、良好な環境の形成または保持のために、その地域の特性に応じた合理的な土地の利用が行われるよう、建築物の特定の用途を制限する場所 * を、特定用途制限地域という。

過去問
H  
用途地域の一つである特定用途制限地域は、良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする。(×)

(2)
特定用途制限地域を定めることができる場所は、区域区分がなされていない都市計画区域と準都市計画区域に限られる。

(3)
特定用途制限地域での建築物等の用途制限の具体的な規制は、地方公共団体の条例で定められる。


4-4 特例容積率適用地区
特例容積率適用地区とは、建築物の容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進して、土地の高度利用を図るため定められる場所だ(107㌻参照 * )。


4-5 高層住居誘導地区

(1)
用途地域のうち、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域では、住居と住居以外の建物が混在しやすく、利便性の高い高層住宅の建設がしにくい。そこで、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域

印刷教材では、この下017ページ

のどれかの中にあり、しかも容積率が10分の40または10分の50と定められた地区で、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するために定められるのが、高層住居誘導地区だ。

(2)
高層住居誘導地区に関する都市計画では、次の制限が定められる。

容積率の最高限度

建蔽率の最高限度
ただし、その地区における市街地の環境を確保するために必要な場合に限る。

建築物の敷地面積の最低限度
ただし、その地区における市街地の環境を確保するために必要な場合に限る。


4-6 高度地区

(1)
同じ用途地域に属していても、高い建築物を建てるのが妥当な場所もあれば、低い建築物を建てるのが望ましい場所もあるだろう。
そこで、用途地域だけではその地区の特殊性に対応できない場合、市街地の環境の維持や土地利用の増進を図るために、用途地域の中で用途地域と重ねて、さらに建築物の高さや低さを制限することが必要になる。このような場所を高度地区という。

(2)
高度地区では、建築物の高さの最高限度または最低限度の制限が定められる。

(3)
高度地区は、用途地域の中で用途地域と重ねて定める必要がある。
したがって、高度地区は用途地域の中でだけ定めることができる。用途地域が定められていない所で高度地区だけ定めることはできない。


4-7 高度利用地区

(1)
同じ用途地域に属していても、建築物の容積率や建蔽率などは、その場所の特殊性に応じて、さらにキメ細かく定めた方が乱開発の防止になる場合もあるだろう。

そこで、用途地域だけではその地区の特殊性に対応できない場合に、用途地域の中で用途地域と重ねて、さらに建築物の容積率や建蔽率などを制限する場所が必要になる。このような場所を高度利用地区という。

(2)
高度利用地区では、次の制限が定められる。

容積率の最高限度または最低限度

建蔽率の最高限度

建築物の建築面積の最低限度

建築物の壁面の位置 * の制限


印刷教材では、この下018ページ

過去問
I  
高度利用地区は、用途地域内で市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。(×)

(3)
(2)の制限は、都市計画法で定める他、建築基準法でも定めている。


4-8 特定街区

(1)
特定街区とは、市街地の整備改善を図るため、街区の整備または造成が行われる場所だ。
街区の整備または造成と言っても、これは主に超高層ビルの建築を意味する。
例えば、同じ商業地域に属していても、そこは超高層ビルを建築するのが妥当な場合もあるからだ。試験対策上は、超高層ビルを建築するための場所が、特定街区だと思えばよい。超高層ビルを建築するため、すでに決められている用途地域や容積率等の規制を適用除外して、そこ独自の計画を定めるのだ。

(2)
特定街区では、そこ独自の、次の制限が定められる。

容積率の最高限度

建築物の高さの最高限度

建築物の壁面の位置の制限

過去問
J  
特定街区には、容積率・建築物の高さの最高限度・壁面の位置の制限を定めることとされている。(○)

4-9 都市再生特別措置法 * による都市再生特別地区・居住調整地域・特別用途誘導地区

(1)
都市再生特別地区

…都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる地区(例:東京駅などその辺りを代表する駅の周辺)について、都市再生特別措置法によりに創設された、都市計画法による地域地区の一つ。

(2)
居住調整地域

…少子高齢化等の社会経済情勢の変化を踏まえ、今後工場等の誘導は否定しないものの、住宅地化を抑制すべき地域について、都市再生特別措置法によりに創設された、都市計画法による地域地区の一つ。

印刷教材では、この下019ページ

なお住宅地化を促進すべき地域については、住居系の用途地域や高層住居誘導地区でまかなえるので、都市再生特別措置法によりに創設された、都市計画法による地域地区の一つにはなっていない。

(3)
特定用途誘導地区

…特定の誘導施設(例:文化交流施設)に限定して容積率や用途規制の緩和を行う一方、それ以外の建築物については従来通りの規制を適用することにより、誘導施設を有する建築物の建築を誘導することを目的とする、都市再生特別措置法によりに創設された、都市計画法による地域地区の一つ。


4-10 防火地域または準防火地域

(1)
同じ用途地域に属していても、駅前のような市街地では、火災が起きれば延焼の危険が大きくなる。
そこで、市街地における火災の危険を防除(防止)するために、建築物の種類・構造等を制限する場所が必要となる。これが、防火地域または準防火地域だ。

過去問
K  
防火地域は、用途地域の一種である。(×)

(2)
防火地域または準防火地域が定められると、建築基準法で、建築物の種類・構造等が制限される(122㌻以下参照 * )。


4-11 特定防災街区整備地区

特定防災街区整備地区とは、防火地域や準防火地域が定められている区域で、火事または地震が発生した場合の延焼防止・避難機能の確保のために、道路・公園等を整備する場所だ。


4-12 景観地区

(1)
景観地区とは、市街地の良好な景観の形成を図るため定める場所だ。 景観とは、人工的な建築美等をいう。
景観地区となっている例としては、東京の皇居周辺、大阪の御堂筋が有名だ。

(2)
景観地区では、建築物の形態意匠(デザイン)などの制限がされる。これらの制限は、景観法や市町村の条例でされる。

過去問
L  
景観地区内における建築物に関する制限については、都市計画法に特に定めるもののほか、文化財保護法で定めている。(×)

印刷教材では、この下020 ページ

4-13 風致地区

(1)
風致地区とは、都市の風致を維持するため定める場所だ。 都市の風致とは、都市における良好な自然的景観をいう。 風致地区となっている例としては、東京の上野公園周辺が有名だ。

過去問
M  
風致地区は、都市の風致を維持するため定める地区である。(○)

(2)
風致地区では、建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採 * などの制限がされる。これらの制限は地方公共団体の条例でされる。

過去問
N  
風致地区は、市街地の美観を維持するため定める地区であり、地区内における建築物の建築や宅地の造成、木竹の伐採などの行為については地方公共団体の規則で規制することができる。(×)

4-14 駐車場整備地区
駐車場整備地区とは、駅前など駐車場を整備して交通渋滞の解消を図るため定める場所だ。

4-15 臨港地区
臨港地区とは、港湾を管理運営するため定める場所だ。

4-16 歴史的風土特別保存地区
歴史的意義を有する建造物、遺跡等が、周囲の自然的環境と一体をなして、伝統と文化を形成している土地の状況を保存するため定める場所だ。古都(京都市、奈良市、鎌倉市等)において定められる。

4-17 第一種歴史的風土保存地区または第二種歴史的風土保存地区
奈良県明日香村の歴史的風土を保存するため定められる場所だ。

4-18 緑地保全地域または特別緑地保全地区または緑化地域
これらは、都市における緑地の保全及び緑化の推進を図るため定められる場所だ。~市民の森、~県民の森などがある場所が緑地保全地域等になることが多い。

4-19 流通業務地区
トラックターミナル、鉄道の貨物駅、卸売市場など、流通機能の向上のため定める場所だ。

4-20 生産緑地地区
市街化区域内の農地等について、計画的な保全を図るため定める場所だ。


印刷教材では、この下021ページ

4-21 伝統的建造物群保存地区
周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いものを保存するため定める場所だ。
城下町、宿場町、門前町など、各地に残る歴史的な集落や街並みのある所で定められる。
伝統的建造物群保存地区は、文化財保護法でも規律されている。

4-22 航空機騒音障害防止地区または航空機騒音障害防止特別地区
航空機の著しい騒音によって、特定の空港(例:成田空港)周辺の宅地に被害が及ぶのを防ぐため定める場所だ。


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